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2014年8月

2014年8月25日 (月)

≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡 54

松平頼則氏に関しての奈良ゆみさんの所蔵する手稿など 38
(「松平頼則氏から奈良ゆみさんへ送られた手紙Fax」  第37回)。


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<2001年2月21日>

Chère Yumi
今日長いFax  ありがとう!
何辺も読み返しています。
 傷みには勿論légerもgraveもありますが
歯は一般論として一番たえがたいといわれています。
 人は生きていく道のりで、やはりYumiも例外でなく
つらいのですね!
 そして最愛の人の病みを傍観しているだけで
病みは変形して今度は私の心を重くする。
 私の肉体の痛みは病痛ではなくorganの損傷なので
こうやって昼間は平気です。

(編者注/Chère Yumiは、かわいいゆみ。légerもgraveもは、軽さも重さも。organは、組織、器官)。

 ただ2月の寒さは老齢にはこたえます。
昨夜は1時間おきにtoiletです。眠っていても
オキロ!オキロ!と命令がかかって、どうしてそれには逆らえない。
激しくはないのです。だからもう素直に服従する他手段はない。
それがいやなら生命をやめるだけ!

さて そんなわけで仕事でゴマ化しています。
ウガヒ薬が利いて舌は痛くなくなりましたが
味覚がもどらない。何を食べてもおいしくない。
Mr.Takejimaは商売がら“食べるたのしみがなくては
生きていてもツマラナイだろう“といいます。

(編者注/ゴマ化しては、胡麻化して《誤魔化して、ごまかして》。ウガヒ薬は、嗽《うがい》薬。Mr.Takejimaは、竹島氏。近所に住む松平頼則氏のお世話をされていた)。


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Piano Concertoは1e Mvtが3e Mvtに変形しましたが
毎日1Page ~ 2Page づつ見直しています。
 それでMouvementは幹なので、今手放せないので
Copyは少しおそくなります。
 Sonatineはプリントセンターに今日頼みました。

(編者注/Piano Concertoは『ピアノ協奏曲第3番」のこと。1e Mvtは第1楽章。3e Mvtは第3楽章。旧稿を参照。
Mouvementは、楽章。ことによると『Mouvement pour piano 1999』のことかも知れない。Sonatineは、ソナチネ。フランス語の作品目録にはピアノのための『Sonatine 1948』、フルートとピアノのための『Sonatine 1936』、クラリネットとピアノのための『Sonatine 1940』が掲載されているが、この『Sonatine』はない。記載漏れか)。

この間頼んだ朗詠の清書が今日出来て
来ました。1ヵ所だけ(もう1ヵ所も)誤りがありますが
綺麗に仕上がりました。
 声明を今日SonatineのPhoto copyと一緒に
清書するようにたのみました。

(編者注/朗詠、声明は、『三つの古い日本の歌』(1999)の第2曲「朗詠 紅葉」と第3曲「声明 陪臚」のこと。旧稿にも言及あり。
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 Yumiのこと やはり 当然ながら気がかりです。
Parisはopérationは優秀だといわれていますが
人間のする事は限界があるのか?
 私はただ芸術だけは限界がないと独断しています。
 では くれぐれもムリしないで。
 Poemeはこれから考えます。
 私にとって新しいGenreなので。
とても美しい!
Je t’aime fort !
Ton Yoritsuné

(編者注/Parisのopérationは、パリのオペレーション〈施術、手術〉。奈良ゆみ氏の歯痛に係わるパリの歯科医師の処置のこと。Poemeは、詩。Genreは、ジャンル、分野。奈良ゆみ氏から送られた三好達治の詩『いにしへの日は』に曲をつける。詩の全文は旧稿を参照。
Je t’aime fort ! Ton Yoritsunéは、とても愛しています!あなたの頼則)。


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今 YumiからのFaxが来ました。
昨日の分2 Page目が缺けているのですね。
1 Pageを2回送ったわけ。
ボケています。ゴメンなさい! 改めて1頁2頁を
これから送ります。
昨夜も今朝まで 12時から1時間おきにtoilet !
Yumiには快復というプラス指向があります。
三好達治のPoem 何回もくちづさんでいます。
美しいmélodieで仕上げたいと思っています。
Ton Yoritsuné


(それではまた、次回更新時に)。

2014年8月18日 (月)

≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡 53

松平頼則氏に関しての奈良ゆみさんの所蔵する手稿など 37
(「松平頼則氏から奈良ゆみさんへ送られた手紙Fax」  第36回)。


(編者注。「≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡51」
からは 2001年の年頭から順に掲載してきたので、前回<2月12日の前に<2001年2月8日>の書簡が挟まれなければならなかった。「≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡50」に既掲載)。
http://masa-yamr.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/50-3214.html


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<2001年2月16日>

Chère Yumi
今日病院行きました。
血圧や脈は異状なく、血糖値は今日は測定
しないので、この前の170ですが、Totalとして
変りはないそうです。

(編者注/Chère Yumiは、かわいいゆみ。血糖値は、血液内のグルコース(ブドウ糖)の濃度。健常な人の場合、空腹時血糖値はおおよそ80-100mg/dl程度であり、およそ180mg/dlを越えると、腎臓の尿細管でグルコースの再吸収が追いつかなくなり尿に排出されるようになる)。

ただ昨夜久しぶりにおフロに入ったら
疲れが出て、よく眠れなく1時間おきにtoilet
行で、今日は気分はよくありません。

(編者注/おフロは、お風呂。toiletはトイレ)。


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病院から帰ったら、音楽学生が「松平頼則作品
研究」という論文を出すからとFaxで10数枚送って
来ました。凡そ知性のない文章で「私のファンは
そんなものか!」と、いやな気持です。
折角、昨日やっと1楽章の構成が出来て
これから1頁だけ清書しようと思っていた矢先

(編者注/作曲中の『ピアノ協奏曲第3番』のこと。。同曲については旧稿を参照。http://masa-yamr.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/49-f035.html )。


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 お知らせがおそくなってごめんなさい!
 朗詠と声明 清書させていますから
私が正誤をよく調べて送ります。
読みにくい譜面で苦労するのは今はinutileです。

(編者注/朗詠と声明は、『三つの古い日本の歌』(1999)の第2曲「朗詠 紅葉」と第3曲「声明 陪臚」のこと。「紅葉」は楽譜には「Ko-u-é-fu」と表記されている。ちなみに第1曲は「催馬楽 美濃山」。第1曲と第3曲が、CD『声の幽韻』松平頼則作品集Ⅲに奈良ゆみ氏のソプラノ他で収録されている。 ALM RECORDSのALCD94。
Inutileは不要)。


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では又
Je t’aime fort !
Ton Yoritsuné 

(編者注/Je t’aime fort !  Ton Yoritsunéは、とてもあなたを愛しています ! あなたの頼則)。

以前書いた原稿を調べたら5 : pages程の
基礎のしっかりしたものが出て来ました。これを1e Mvt にして
(…………)3eにするつもりです。

(編者注/(…………)部分は文字列の傾きがあり、Fax画面に出ていない。オリジナルを保管される奈良ゆみ氏に確かめたところ、オリジナルにも出ていない由。画面全体は白くて、何度もコピーを繰り返して復元させたとのこと。1e Mvtは『ピアノ協奏曲第3番』の第1楽章。3eは、第3楽章)。 


(ではまた、次回更新時に)。
 

2014年8月11日 (月)

≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡 52

松平頼則氏に関しての奈良ゆみさんの所蔵する手稿など 36
(「松平頼則氏から奈良ゆみさんへ送られた手紙Fax」  第35回)。


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<2001年1月19日>

Chère Yumi,
今日 病院に行きました。
数字的には全く異状がないそうです。
血アツも脈も血糖も高くない由。
私自身はやはり夜分の痛みがいやですが、
薬の利き目で回数も減り、痛みも少しいいようです。
体のことですから又当てにはなりません。
仕事はだから 余り急がなくてよいなと
思いますが 今日は全く進行しません。
Yumiが心配しているといけないので
以上お知らせします。

Yumiの芸術の高い状態をいつも保っていることを
望み、その通りなので安心しています。
短いFaxでごめんなさい。
もう10時を過ぎたので 今夜はあきらめて
休みます。
Je t’aime toujours !!
Ton Yoritsuné

(編者注/Chère Yumiは、かわいいゆみ。血アツは、血圧。持病は糖尿病だったが、痛みについては<2001年1月4日>で「舌の痛み」を訴えられ、<同1月15日>には「排尿前の痛み」を記されていた。
Je t’aime toujours !! Ton Yoritsunéは、いつも愛しています。あなたの頼則)。



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<2001年2月12日>

Chère Yumi 
とにかく今 1e Mvt の最後の音を書き終えた
所です。15h
 明日から Fauterや effacée  されて薄くなった音など
を直す作業があります。

(編者注/Chère Yumiは、かわいいゆみ。1e Mvtは、「ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章。15hは、午後3時。Fauterは、誤り。effacéeは、消えるという意味。記譜にさいしては、いつも薄くて硬い、よく尖らせた鉛筆を使った。筆圧はかなり弱くなっておられた)。

すごく疲れています。
夜は1時間おきに起きなければなりません。
今朝は 6時にYukiが起きてしまったので
私も起きました。
毎朝 彼女なりに頑張っています。
生きていくことは辛いことですね。

(編者注/Yukiは、松平頼則氏の夫人、松平雪氏。奈良ゆみ氏は2001年1月20日付の雪氏からの賀状FAXも大切に保存されている。美しい筆跡だ)。

Yumiが私の作品のRép.のこと
小さな字でしか書けないのです。 
ごめんなさい。

(編者注/Rép.は、Répertoire、作品目録)。
3e Mvtが書けるかどうか現時点では
わかりません。
詩を待っています。

(編者注/3e Mvtは、「ピアノ協奏曲第3番」の第3楽章。詩は、後の書簡に出てくる奈良ゆみ氏が選んだ詩。<2001年5月28日>に出てくる三好達治『いにしへの日は』が選ばれた。
とり急ぎお知らせまで。
Je t’aime tout le temps
Ton Yoritsuné
(編者注/Je t’aime tout le temps Ton Yoritsunéは、全ての時間にあなたを愛して あなたの頼則)。

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(それではまた、次回更新時に)。
 

2014年8月 4日 (月)

≪声の幽韻≫松平頼則から奈良ゆみへの書簡 51

松平頼則氏に関しての奈良ゆみさんの所蔵する手稿など 35
(「松平頼則氏から奈良ゆみさんへ送られた手紙Fax」  第34回)。


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<2001年1月4日>

Très chère Yumi
 今正午前です。
やっと 2e Mvt 終りました。
御報告まで。

(編者注/Très chère Yumiは、とてもかわいいゆみ。2e Mvtは、『ピアノ協奏曲第3番』の第2楽章。同曲については旧稿を参照。
少し厚塗りのようですが
演奏してみなくてはわかりません。
Print center が仕事を始めたら
一応copyして送ります。
1e Mvtは書き散らした材料があるので
集めてみます。
この作業はたのしい。
3e Mvtは今の所 Bachの土台があるだけで
PianoのImageが出るまで待機です。

(編者注/Print centerは、プリントセンター。1月4日は、まだ正月休み。Copyは、コピー。1e Mvtは、第1楽章。3e Mvtは、第3楽章。Bachは、バッハ。ヨハン・セバスティァン・バッハ 1685-1750。PianoのImageは、ピアノのイマージュ、イメージ)。


Stockphotostatueofjsbachinleipzig31


舌は相変らずいたみ、食べることがやっ介です。
粉ミルク頼みました。
今迄で一番まづい“オゾーニ”でした。
好きなオモチが 食べるのが苦痛のタネ!

(編者注/いたみは、痛み。やっ介は、厄介。まづいは、不味い。オゾーニはお雑煮。オモチは、お餅)。

YumiからのFax 何度も読み返しています。
離れていても 会うことは離れることの
きまりなので 今のまま ジット耐えています。
いつもYumiの芸術の成功を祈っています。
では又

Je t’aime !
Ton Yoritsuné

(編者注/Je t’aime ! Ton Yoritsunéは、愛しています! あなたの頼則)。


Img010


<2001年1月15日>

 2,3日前に 2e Mvt  パリに送りました。
もうぢき着くと思います。
 毎晩やはり排尿前は痛むので何か
段々体力が弱っていくような気がして……
 そうした感じをpour n'est pas penser で
仕事にまぎらせています。
昨晩はとうとう夜中の2時まで 1e Mvt の
構造を考えていました。
大体の構成は出来たので、今日から細部に
入ります。50page あるので完成するまで
急いでもいけないし、実際肉体が
悪くなっているかもしれないので アセッテも
いるし……
Yumiのことを考え、その芸術の高揚を
願い、健康を願い
Je t’aime ardemment !
Toujours ton Yoritsuné
これから又清書にかかります。
午後7時 では又

(編者注/2e Mvtは、『ピアノ協奏曲第3番』の第2楽章。1e Mvtは、同曲の第1楽章。pour n'est pas penserは、考えないために。
Je t’aime ardemment ! Toujours ton Yoritsunéは、熱烈にあなたを愛して! いつもあなたの頼則)。

(ではまた、次回更新時に)。

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